Next innovationはエストニアのデザイン会社Velvetとパートナーを組み、日本の学生・社会人を対象とする一週間の集中型ワークショップを、今年エストニアの首都タリンで開催します。テーマは「サービスデザイン」と「スマートガバナンス」です。
11.02.2020
Next innovationはエストニアのデザイン会社Velvetとパートナーを組み、日本の学生・社会人を対象とする一週間の集中型ワークショップを、今年エストニアの首都タリンで開催します。テーマは「サービスデザイン」と「スマートガバナンス」です。
IT立国エストニアには、国のデジタル化を支える影の功労者たちがいます。
今回のワークショップは、長きにわたりエストニアのデジタルサービスをデザインしてきたVelvetから直接ノウハウを学ぶことができる内容となっています。
そこで、このページではエストニアでワークショップを開催するにあたり、
をご紹介します。
Velvetはエストニアを代表するデザインファームであり、15年以上に渡り政府とともにエストニアのデジタルサービスをデザインしてきた会社です。
そしてそのVelvetが拠点を置くエストニアは、北欧フィンランドのすぐ南に位置する人口130万人ほどの小国です。
エストニアは世界で最も先進的なデジタル国家と言われており、全ての国民がIDカードを持ち、国のサービスの99%はオンラインで利用することができます。
自宅からでも世界中のどこにいても自分のパソコンからエストニアやEUの選挙に参加できるi-voting(電子投票)、全ての医療データがデジタル化され医者を訪ねずとも薬の処方が可能なe-health、一年にたった3分で納税申告ができるe-tax、オンラインで手続きをして3時間で起業できる企業ポータルなどなど、例を挙げればきりがありません。
実際にオンラインでできないことは、結婚、離婚、不動産売買のみです。
このように、エストニアでは生活の全てがデジタルであり、紙を印刷したり列に並ぶことはもはや意味をなさないため、より優れたデジタルサービスが必要とされてきました。
そしてこれらのデジタルサービスを実現してきたのが、強い推進力を持ち変革を恐れなかったエストニア政府です。エストニアは1991年にソ連から独立し、ゼロから国を立て直す必要があったのです。
平均年齢35歳のエストニア政府はインターネットに強い信頼を置き、独自のデジタルシステムを構築して国を動かしていきました。
独立から7年後の1998年にはすべての学校にコンピュータが整備され、インターネットへの接続が可能になりました。2002年には全国民にIDカードが発行され、すべてのデジタルサービスへのアクセスをたった一枚のカードで可能にしました。2008年にはブロックチェーン技術のテスト運用を開始し、2012年に世界で初めて同技術を国家レベルで実装し、セキュリティレベルは強固なものとなっています。2014年にはe-Residencyをスタートし、1000万人の仮想国家を作るという構想のもと、国民向けIDカードの仕組みを応用し、外国人への行政サービスの提供を始めました。
これらエストニアの先駆的なデジタル移行への取り組みや、政府によるスマートガバナンス政策は多くの国の参考となり、実際の導入へと繋がっています。
しかしエストニアのような小国ではなく、国が白紙の状態でもない日本では、これらの事例からどのように学べるでしょうか?エストニアのデジタル移行に大きく貢献した人物の一人、前大統領のToomas Hendrik Ilves(トーマス・ヘンドリク・イルヴェス)氏はこう述べます。
「エストニアの成功は、”従来の技術”を捨てることよりも”従来の考え方”を取り除いたことである」
仕組みとしてのIT政策を知ることができても、それを支える考え方やマインドセットを学べる機会はなかなかありません。また、いくら国の経済や文化が違えど、これから様々な面で社会のIT化が進むことは避けられません。よりITが普及していく世の中で、人々が暮らしやすくなるデジタルサービスをデザインする力は、日本でも今後ますます重要になっていきます。
実際に、日本でも国が目指すべき未来社会の姿として「Society 5.0」が内閣により提唱されています。そこでは、社会の変革を通じてITと現実がより高度に融合し、一人一人の人間が中心となる社会の実現が描かれています。(詳しくはこちら)
デジタルを通した人間中心の社会に関しては、エストニアは日本の何歩も先を進んでいます。最近もエストニアの首相が来日し安倍首相を訪問しており、デジタル政策に関してさらに協力体制を強めていく方針を固めています。
そのエストニアにおいて、政府が主導となり進められてきたデジタル移行ですが、そこには民間企業との強力な連携がありました。その中でもVelvetは数多くのデジタルサービスをデザインしてきました。
例えば納税申告がオンラインで3分で完了するプラットフォームのデザイン、タルトゥスマートシティの長期戦略、IDカードのデザインは、数あるプロジェクトの一つです。
またここでいうデジタルサービスのデザインとは、その見た目だけではなく、ブランディングや戦略的な側面から、利用する人にとって最も使いやすい仕組みとなるようデザインをすることです。
長い間政府のプロジェクトに関わっているVelvetには、電子政府の実現を可能にしてきた考え方とデザインのノウハウがあります。
ワークショップは、エストニアのスマートガバナンスの例を具体的に深掘りして学びながら、実践形式でサービスデザインを学べるプログラムとなっています。
主に学生や若い社会人の方が対象となりますが、学びたいと思う気持ちと自分の環境を良くする決意に年齢は関係ありませんので、気になった方はご参加お待ちしてます。
また
などに最適なワークショップとなっています。学べる内容や、自分にとって合ったプログラムかどうか等の質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
講師兼メンターにはVelvetより、サービスデザイナーとしてエストニアの首都タリンの労働環境の長期戦略や、第二の都市タルトゥのスマートシティ計画の戦略デザインを担うJoel Kotsjuba(ヨエル・コシューバ)氏(左)と、Velvetの共同創業者であり、デザイナーとしてエストニアおよびヨーロッパで数々の賞を受賞しているJanno Siimar(ヤンノ・シーマル)氏(右)の2名を迎えます。
エストニアで最も優秀な2人のサービスデザイナーから、実例をもとに政府の電子化を学び、それを可能にするデザイン的思考を身に付けることができる、他では体験できない内容となっています。
定員は15名ですので、ぜひこの機会をお見逃しなく。
なお、ワークショップは英語での進行となり、日本語でのサポートも含まれます。言語に関する質問もいつでもお待ちしてます。
お問い合わせ先
メール: お問い合わせフォーム
Instagram: velvet.japan へのDM
お問い合わせは、日本語と英語、両方で対応可能です。一人一人有意義なプログラムとなるよう、全力でサポートさせていただきます。